三木つばき・オリンピック直前応援インタビュー
こちらの記事は、CARVE MAGAZINE 2021のアーカイブとなります。
今回のBEHIND THE STORYでは、北京冬季オリンピックを前に
現在もトレーニングや合宿などで忙しい三木つばき選手に
お時間をいただいてインタビューのご協力をいただいた。
編集部一同、読者一同、応援したい!
Q 2021年に延長・開催された東京オリンピックは何か映像で観戦されましたか? 刺激を受けた競技などがあれば教えてください。
東京オリンピックは、妹が部活で柔道をやっている関係で、柔道の試合をよく見ていました。阿部選手が兄弟で同日に金メダルを獲得したときもライブで見ており、世界初の瞬間を目の当たりにし感動しました。柔道は国技ですので、オリンピックに選出されるまでが本当に大変でしょうし、日本で世界一を目指すことの難しさを考えると本当に努力を積み重ねてこられたんだと思い、世界一という点においては私も一緒ですのでこれからもっと努力を重ねようと思いました。
Q ご自身は、現在(インタビュー時、2021年10月前後)北京オリンピックに向けての準備をされているかと思いますが、どこで、どのような活動をされていますか? また今後のスケジュールをお教えください。
9月28日に海外合宿から帰国し、今は隔離生活を家で行っています。家で勉強、トレーニングをしながら毎日を過ごし、10月後半にまた海外へ合宿に行かせていただきます。その後はシーズンのほとんどを海外で過ごし、ワールドカップやオリンピックに向けて練習を重ねる形となります。
Q 北京オリンピックまでに、ご自身の中で準備を整えていかれているとして、なにか設定している目標とかテーマがありましたら教えてください。また、ずばり北京オリンピックでの目標をお教えください。
今シーズンの目標は「ワールドカップでベスト4を3回以上達成する」ことです。また上記の目標を達成した上でプラスαの目標として、一回以上は表彰台にあがります。そしてその表彰台を五輪にぶつけていきたいと思っています。ですので、今シーズンの勝負所としては、北京五輪が開催されるまでのワールドカップの中でいかに目標を達成できるかだと思っています。私自身スロースターターでシーズン後半に調子が上がってくることが多かったので、今年はその克服も兼ねて、シーズン前半での目標達成を目指したいと思います! 今からすごく楽しみです!
Q また、北京オリンピックでどんな滑りを目指してらっしゃいますか?
北京五輪で、というより今シーズン全体での滑りになるのですが、一言で申し上げると「無駄のない滑り」を目指しています。余計な動作が省かれることで、余裕を持ってゲートに挑め、また物事をしっかりと捉えることもできるようになると思います。体の使い方、筋肉への力の入れ方、ゲートの入り方、目線などを、斜度や天気、雪質などそれぞれの環境に合わせ、一番マッチする滑りを体に記憶させることが今シーズンの目標です。
Q 北京オリンピックが約5ヶ月前となり、まだ時間はしばらくありますが、現在の心境、どんな思いで残りの時間を過ごし、どんな気持ちで舞台に望めたらいいか、など思うところありましたらお教えください。
私自身は実は、「オリンピック」という舞台がそれほど大きなものとは認識していないんです。もちろん五輪は皆さんに滑りをリアルタイムで見ていただけ、応援していただける貴重な機会ですし、普段はみていただくことができない部分をお見せできることはとても楽しみにしています。ですが、私の中では五輪同様にワールドカップも世界選手権も大事で大きな試合です。その大事な試合が4年に1回なのか、2年に1回なのか、1年に何回もあるのかの違いであって、出場する選手が他の試合と変わらない以上、場所が変わってもやることは同じだと思います。未経験で何もまだ知らないから、ということはあるかもしれませんが、だからこそ「何も知らないから自由に挑み、自由に五輪に対して想いを抱き」毎日を過ごすことができると思います。今までもこれからも、どんな試合でも全力で勝ちをもぎ取っていきたいです。そのために、一つ一つの試合に向き合い、選手と自身と向き合い、一戦一戦大事に戦っていきます!
PROFILE
三木 つばき Tsubaki Miki
2003年長野県生まれ。静岡県在住。ホームゲレンデ:菅平高原
Board_KESSLER、Binding_KESSLER、Boots_UPZ RC10、Plate_IronROCK、Stance_Goofy、Tune up_FiT、Goggles/sunglasses_POC、Wax_GALLIUM、Glove_HESTRA、Trainer_岡田 千詠子氏(NSCAジャパン)、Physical therapist_山地 輝幸氏(ACTIVATE GYM)、Training field_ACTIVATE GYM,K-FIT
編集部メモ:この記事の発売後、約1ヶ月後となる2021年12月中旬にロシアで開催されたワールドカップのPSL競技で準優勝を実現しました。