堀之内 剛プロによる OFF TRAINING by Skateboard
Photography_@PSA-ASIA / @GOKATU / JUNKO OKAMURA(スノーボード写真)
CARVE Onlineでは、CARVINGを楽しむスノーボーダーに向けて、オフシーズンでのスケートボードを使ったオフトレーニングを連載コーナーで紹介します。堀之内 剛氏プロデュース企画!
名前:堀之内 剛(ほり)
JSBA/PSA-ASIA公認プロスノーボーダー
SUPAベーシックインストラクター
スポンサー・アンバサダー:SHARK ENERGY DRINK / YOROI-blp / VITORA / スノサウルス / Carving Master’s Craft / むねぐみ茶 / TFA / HEAVEN SKATEBOARDS / Zulu Wheels / モリスポ
スケートボードレース歴:2004年
IGSA World Cup RED BULL Almabtreide Skateboard Down Hill(Germany)
Burnig Wheels Tour Board-X(Switzerland)
AJSA-TAC(日本スケートボード協会タイムアタックサーキット)国内サーキットを転戦中
スロープを使用した練習
はじめに
スロープを使用した練習は、スピードを出さないように滑ったとしても、スピードが出てオーバースピードになり怪我のリスクは高まりますので、過信せず、必ずヘルメットなどの安全対策を行い、スロープでの滑走を楽しんでください。また慣れているからといって、1人でスロープを滑る事は、あまりお勧めできません、もし何か怪我や事故などがあった場合の事を考えると2人以上で滑る事をお勧めします。
今回使用するフィールドは、斜度約5.5%ぐらいのスロープを使用しています。見た目と違い、実際に滑ると斜度があるように感じます。スロープをはじめて滑る方は、はじめに緩い斜度で練習して頂き、そこから徐々に斜度を上げていく事をお勧めいたします。また停止する際、デッキから飛び降りるのは、転倒するリスクがありますので、必ずフットブレーキを使用し停止するか減速を行い、安全に停止する事をお勧めいたします。
考え方をシンプルに
人によっては、すごく難しく考える人がいると思いますが、デッキを傾けると曲がる仕組みのスケートボードですので、「そのためにはどうするか?」というように考え方をシンプルにしてみて下さい。もちろん難しく考える事も必要になると思いますが、まずは考え方をシンプルにしてみましょう。
考え方がシンプルになったところで、「スロープを滑走する際は、まず斜度の緩い場所から滑ってみて下さい」と言いたいところですが、まずは、下記の①~③が、ある程度出来る事でより安全で楽しく滑走できると思いますので、参考までにやってみて下さい。
①フットブレーキの練習
+しっかりと減速出来る事
前足にしっかりと重心を乗せて、後ろ足をノーズ側のウィール横ぐらいにゆっくりと降ろして、路面とスニーカーのソールが軽く擦れる場所で減速させる。
+減速から停止が出来る事
前足にしっかり重心を乗せて、後ろ足と路面の圧を徐々に強め、ゆっくり減速しつつ、停止させる。
注意)デッキから飛び降りると転倒し怪我のリスクが高まります。必ずフットブレーキを行いゆっくりと減速から停止を行ってください
②1ターンのみ
+ノーズが山側に向くまでターン
プッシュなしで、デッキに乗り、低くなり過ぎないニュートラルポジションを意識してから、角付けをノーズが山側に向いて減速するまでデッキに乗る。
+つま先側、踵側、1ターンづつ
連続ターンはしないで、つま先側、踵側の両サイドを片側づつイメージに近いポジションの確認をしながら滑走してください。
注意)怖いと思って、後ろ足に重心が乗ってしまい、ノーズ方向が下に向いてしまった場合、落ち着いて強い意識で前足に重心を乗せながら、より強い角付けを意識してください。
③連続ターン
+②で練習した事をつなげる
②では、片側づつのターンでしたが、連続ターンとなると、ターン切り替え部分が増え、そのことで、若干のスピード感が出るかと思いますが、傾向的に多いのが、ターン中のノーズが下に向く部分で、後ろ足に身体の重心が乗ってしまい暴走する事がありますので、はじめはノーズが山側へ向くぐらいの意識で横へ進むイメージで滑走してみて下さい。
+ターンは下へ落下する意識(フォールライン)
ターンの前半部分から後半にかけて次のターン方向へ角付けする事を意識しますが、その際は、デッキの上に身体があるイメージではなく、デッキよりも先に身体があるイメージです。
斜度のある場所での規制トレーニング
斜度のある場所での規制トレーニングは、非常に有効的な練習方法かと感じます。またスピードを出そうとするのではなく、ポジショニングやフォールラインの意識など、規制の中で練習する事で効果が出てくると思います。
今回の使用しているスロープは、約5.5%の斜度を使用しています。コーンのコースセットは、約3.5~4.5m振り幅は約2mぐらいでの練習です。コースは、個人の技量もありますので、滑りやすい、だいたいで構いませんので均等でレイアウトしてください。
色んなライン取りで滑走してみる
規制ならではの練習方法の1つで、色んなライン取りを行ってください。一般的に良いとされているラインは、【図1】(c)の高いライン取りですが、【図1】(a)のように極端に落とされたラインの練習も必要で、その全てが、総合滑走能力に結果的に繋がってくると考えます。
【図1】では、三種類のラインを極端に書いてみました。参考になればと思います。
(a)は、ターンの前半部分で後れたラインで非常にタイトなラインですが、ターンが遅れたことで、次のコーンに入りづらくなります。
(b)は、ターンの中心にコーンがありますが、斜度がつくことで、若干後れ気味なターンになりますが、ノーズが下に向いている位置が良い為ボードが横に向かず下に向けていけるラインです。
(c)は、基本的なライン取りで高い位置から…というラインです。結果的には、ボードが横に向く時間が長くなってしまい減速要素の多いライン取りです。
上記の三種類を同じコースの中で試しながら、実際に体感する事で「技術的にどうしたら良いか?」を考えながら技術的に反映してみて下さい。もちろん、ミスランも次にどうしたら良いかを考える良いキッカケになりますので、どんどんミスをして色々と試してみて下さい。
ニュートラルの意識
ターンにおける質問が多いのですが、一番重要な事は、ターンとターンの間のニュートラルが重要と思っています。スノーボードでもスケートボードでもターンする場合、必ずボードがフラットになる時間があるからで、そのフラットになっている時のポジションが、次のターンに一番影響があり非常に重要です。もちろん、ライン取りやターン中のポジションの意識は必要なんですが、ボードがフラットになっている時間でボードが走っている感覚もありつつ、ニュートラルポジションを意識する事で、より高い次元でのターンが出来るかと思います。角付けから角付けでも良いのですが、滑走中の安定性や加速感など感じられる場所は、ニュートラルがあるからこそ感じられます。そこで、あくまでも提案と言いますか…、自分でも練習に取り入れているのは、ニュートラルの時間を意識的に長くしてみたりしながら、ポジションの確認を行っています。スノーボードでもスケートボードでも、感覚的に遅く感じますが、動画を確認するとターンとターンの間でボードが走っている様に見えるかと思います。安定感も増すと思いますので、ぜひ規制の中でもお試しください。
スロープでの少し細かくリズム変化のある規制
斜度がある場所での少し細かめのリズム変化のある規制は、とてもテクニカルに感じます。もちろんライン取りも必要になりますし、切り返しの速さが主に必要になります。その切り返しの速さやコーンセッティングのリズム変化に伴い、身体が遅れないように自らをフォールラインに投げ出し、ボードよりも先に自分がいる事を意識する必要があると考えます。またリズム変化の場所では、ターンも更に細かくなりスピードも出ますので、全ての動きを速いリズムで動かす必要があります。同じリズムだとコーンセットに合わない動きになってしまいますので、リズム変化部分で、コースに入れなくなったりします。まず規制に入る前にインスペクションを行って、コース内のリズム変化部分や路面の変化などを確認し、ライン取りなど必要な部分を自分なりで構いませんのでイメージしてください。しかしながら、滑走中は色々な事を考えている余裕はありません。考えられたとしても、一つか二つぐらいの考えに絞り、滑走してみて下さい。
イベント告知
MAIAMIHAMA CUP
滋賀県野洲市マイアミ浜オートキャンプ場にて第14回目を迎えるMAIAMIHAMA CUP(マイアミ浜カップ)は、日本一歴史と日本一の滑走距離が長いスケートボードスラロームの競技会です。誰でもお気軽にご参加できるイベントです。夜には、参加者の皆さんでマイアミ浜オートキャンプ場でキャンプ(BBQ)を楽しめるイベントです。AJSA-TAC公式戦ですので、特にオープンクラスは、ハイレベルの戦いも見もの! 参加するのもよし! 見るのもよし! 一日楽しめるイベントです。ぜひお気軽にご来場ください。
第二回富士北麓スケートボードスラローム大会
7月1日予定していたイベントが、9月30日に開催する事が決定しました。主催は、富士吉田市で、アーバンスポーツを盛り上げている「Projectlife3775」代表、鬼頭 功さんで、富士北麓アクティビティースポーツ少年団とし様々なスポーツで、富士吉田市を盛り上げています。そのイベントの一つとしてスケートボードスラローム大会を主催しています。
大会は、二種目強制参加となります(笑)。
ぜひ みなさん失敗を恐れず、お気軽にチャレンジしてみて下さい。