スケートボードを使用したスノーボードオフトレ Vol.04

堀之内 剛プロによる OFF TRAINING by Skateboard
Photography_@PSA-ASIA / @GOKATU / JUNKO OKAMURA(スノーボード写真)

CARVE Onlineでは、CARVINGを楽しむスノーボーダーに向けて、オフシーズンでのスケートボードを使ったオフトレーニングを連載コーナーで紹介します。堀之内 剛氏プロデュース企画!

名前:堀之内 剛(ほり)
JSBA/PSA-ASIA公認プロスノーボーダー
SUPAベーシックインストラクター
スポンサー・アンバサダー:SHARK ENERGY DRINK / YOROI-blp / VITORA / スノサウルス / Carving Master’s Craft / むねぐみ茶 / TFA / HEAVEN SKATEBOARDS / Zulu Wheels / モリスポ
スケートボードレース歴:2004
IGSA World Cup RED BULL Almabtreide Skateboard Down Hill(Germany)
Burnig Wheels Tour Board-X(Switzerland)
AJSA-TAC(日本スケートボード協会タイムアタックサーキット)国内サーキットを転戦中

規制だけがオフトレではない

規制トレーニングは、行きたい方向を規制されその通りに滑らなくてはなりません。スノーボードのカービング技術において総合的なトレーニングになります。しかしながら、基本的なカービング技術において、ポジショニングやターンのメカニズムを確認するには、色んなスケートボードを使用し、規制された所だけでなく、フリーランで低速だからこそ確実に身体の動きを意識できる滑りも必要と考えます。

WATERBOMEの紹介

カリフォルニア生まれのスケボーパーツ、ウォーターボーン。2016年、得意なサーフィンがもっと上手くできるようにと、創設者Patrickが考案したスペシャルなパーツがアメリカから本格上陸。すでに2019年にはPennySkateboradにも基本にセットされて販売されていたり、この画期的で計算しつくされたスケボーアダプターは、全世界でブームメントを巻き起こしています。スケートボード初心者にはやさしい先生のように、超上級者には手応えあるランブルフィッシュのように、驚きの乗り味の変化を体感してください。トラック、デッキの組み合わせで様々なテイストに変わります。スノーボードの感覚にも近く、サーフィン、スノーボードのオフトレに最適です。今回、僕が使用しているモデルは「SURF AND RAIL ADAPTER HIGH PERFORMANCE PACK」になります。ノーズは、スウィングするアダプター、テールには、デッキの傾きと振動吸収などの働きをするアダプター、トラックは、TKPトラックを使用。デッキを組む時のイメージは「傾き」をイメージして、色んな用途をイメージしながら、ターンの間延びしないぐらいのデッキの長さ36インチのHEAVEN SKATEBOARDSのブランクデッキに取り付けてました。

ポジショニングについて

スノーボードでは、近年ボードの進化が進み、とてもカービングしやすいボードが多く販売されています。特にスノーボードレースモデルは、低速安定性、高速安定性、全てにおいて高次元の素材を使用し、尚且つプレートやビンディング、ブーツによってそのボードの能力が活かされ、さらにカービングしやすいマテリアルになっています。乗り手のスタイルにもよりますが、今のスノーボードはとても乗りやすく、どんなスノーボーダーでも確実に良いと感じる人が多いでしょう。それに対して、スケートボードのオフトレでは、スノーボードみたいにエッジがなく、角付け量が少ないため、ボードが立ちません。それでもスノーボードに似た動きが可能ですが、色んなスケートボードに乗り、動きを養う事が必要になります。

WATERBORNEを使用したトレーニングのご紹介

深いカービングをする際、どうしても前足荷重が強くなりテールがズレてしまう人が多いかと思います。それは板を立てようという意識で上半身の傾きが強くなり、お辞儀しているようになってテールの圧が逃げてしまうのが原因の1つとなります。
1 滑る際に意識する事
2 板を立てようとしない
3 どんな時も後ろ足
これはスケーティング(プッシュ)した後、デッキに両足を乗せた時の意識です。スノーボードでは角付けをする際、自然とノーズがエッジングしてボードは曲がります。スケートボードでも同じく、ノーズ側のトラックが曲がりチクタクの原理にてターンをはじめます。ですのでスノーボードもスケートボードもターン技術において似ている感覚になります。

身体はボードに預ける

スノーボードでは、「いかに強いエッジングをするか?」「いかに弱いエッジングをするか?」 がすべてとなります。それは、ターン弧や、レースでしたらゲートセットにより変わりますが、その中で必要な事があります。「身体の中心はボードのセンターより少し後ろに置き、低くなりすぎないこと」です。確かに色んな場面で低くなったりすると思いますが、ターンのすべてで低いポジションをしていると、リカバリーが出来ずに転倒したり、深いターン弧のつもりが浅いターン弧になってしまいます。ですので、低すぎず軽く膝を曲げた程度で滑る事が必要と考えます。また低い姿勢を取りすぎると、体の動きにロスが出ます。スノーボードでは、スケートボードよりも速い動きが必要とされます。頭の中で「板を立てる」「板を踏む」「立ち上がる」など頭で考え過ぎていると、動作(動き)にロスが出ますし、ターン中にその様な事を考える余裕はありません。そして、なによりもボードに強い力を伝達する事できなくなり、結果的にボードのエッジホールドが弱く感じてしまいますので、総合的に考えると低すぎないポジションが良いと考えます。

ターンは、繋がっている意識を持つ

ターン弧を谷回り、山回りで分けて言うと、谷回りはターン始動部分でもあり、一番プレッシャーを強く意識するところです。そして 谷回りから山回りにかけて次のターンに切り替えていくところです。ターン弧が小さくなってしまうのは、ちゃんと意識しているためで間違いではありませんが、ターン弧が小さくなる理由は、谷回り部分でターンをやめようとしたためにボードの圧が抜けてしまうからです。そこで圧を抜かないように足元で雪面をしっかり押さえる感覚で、谷回りに乗る時間でターン弧を調整する事も一つの練習方法です。また一番必要な部分は「フォールライン(自分が進むべき方向又は目的地)へ向け身体を落としていけるか?」だと思います。そこで意識するべきことは、ボードよりも先に身体がある事が重要かと思います。滑走中、ボードが身体よりも後からついてくるといった感覚となるはずです。これらはターン中「ここで踏んで」「ここで抜いて」「ここで立ち上がって」とか考えながら滑っている方には少々難しいですが、少し自分の考えで言うと、ターンは繋がっていて、トー側とヒール側を分割して考えるのではなく、切り返し部分(ニュートラル)を考えると次にどの様な動きが必要か?が自然と理解できるかと思います。

最後に···

技術面に関しては、基本的に「これ!」っていうのはありません。以前にもお話しさせて頂きましたが、ターン弧には、深いターン、浅いターン、レースで言うと高い位置からのライン、落とされ気味のライン、完全に落とされたライン、その全てが必要です。ですので、基本的にスノーボードカービング技術において、もちろん下踏み(山回りで踏む)こともリスキーですが必要だし、リカバリーにおいて上半身の傾きも必要になる事も有るかもしれません。
スケートボードのオフトレには、それらの全てにおいて奥深い原点ともいえる部分が自然と練習になっていると思います。その理由の一つとして、一番良い点は、スノーボードとは違いスケートボードはブーツを履いていないし、ボードとブーツを固定するビンディングも付いていませんので、足首の動きが無意識のうちにトレーニングになっていて、足首の筋力が強くなることで、ターンの切り返しの速さ、エッジホールドの強さ、リカバリー能力など、スノーボードにとって非常に重要な部分が得られるかと思います。特にカービングターンをしている皆さんにとって、そして、これからカービングターンをスノーボードで楽しみたいと考えている皆さんにとって、スケートボードに乗るという事だけで、実は非常に優れたオフトレになっています。そして何よりもスノーボードには乗れるけど、スケートボードには乗れないという方も、ぜひ諦めずチャレンジして欲しいです。効果は必ず出ます。

MAIAMIHAMA CUP

14回目を迎える最も歴史のあるスケートボードスラロームレース、今季はAJSA-TAC公式レース!ビギナークラスから幅広いレベルの皆さんがお気軽に参加できるビギナークラスも設けています。ぜひ 皆さんお気軽にご参加ください。
https://dgent.jp/e.asp?no=2300407

 

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